平成15年度贈呈式及び各賞の概要


 平成16年6月11日(金)、財団合同役員会の後、正午から500人の出席のもと、 「第20回大平正芳記念賞」「第18回環太平洋学術研究助成費」の贈呈式が東京・虎ノ門のホテルオークラ別館・曙の間で開かれました。

平岩理事長・大平常務理事と受賞者及び関係者との合同記念写真

牛尾治朗氏の祝辞

 



第20回大平正芳記念賞受賞作及び受賞者名

<正賞・・・楯 副賞・・・100万円>

『海域イスラーム社会の歴史―ミンダナオ・エスノヒストリー
早瀬 晋三(大阪市立大学大学院文学研究科教授)

略歴
1955年岡山県生まれ。80年東京大学文学部東洋史学科卒業、84年マードック大学(西豪州)Ph.D.取得。現在、大阪市立大学大学院文学研究科教授。海域東南アジア史、日比関係史を研究。著書などに、『岩波講座 東南アジア史 別巻』(共編、岩波書店、2003年)、『復刻版 比律賓情報』(編・解説、龍溪書舎、2003年)、『フィリピンの事典』(共編、同朋舎、1992年)『「ベンゲット移民」の虚像と実像:近代日本・東南アジア関係史の一考察』(同文舘、1989年)など。

 

『イギリス帝国とアジア国際秩序
   ―ヘゲモニー国家から帝国的な構造的権力へ』

秋田 茂(大阪大学大学院文学研究科教授)

略歴
1958年広島県生まれ。81年広島大学文学部西洋史学専攻卒業、85年同大学院博士課程後期中退。85年から2003年まで大阪外国語大学外国語学部勤務。2001-02年ロンドン大学(LSE)客員教授。現在は大阪大学大学院文学研究科・世界史講座教授、博士(文学)。編著に『1930年代のアジア国際秩序』(渓水社),“Gentlemanly Capitalism, Imperialism and Global History”(London,2002)



『民主化の虚像と実像―タイ現代政治変動のメカニズム
玉田 芳史(京都大学・大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・助教授)

略歴
1958年岐阜県生まれ。81年京都大学法学部卒業、83年同修士課程修了、87年同博士課程中途退学。専門はタイ研究・比較政治学。87年より愛媛大学法文学部助手、講師、助教授を経て、90年京都大学・東南アジア研究センター・助教授、97年より同大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・助教授。主な論文に「タイの国民的官僚制と国民形成」(1999年)、「タイの官僚養成と教育機会、1892〜1932年」(1999年)、「タイのナショナリズムと国民形成」(1996年)、“Coups in Thailand, 1980-1991”(1995年)など、翻訳にタック『タイー独裁的温情主義の政治ー』(井村文化事業社、1989年)がある。“Itthiphon and Amnat: An Informal Aspect of Thai Politics”(1991年)はタイ語に翻訳されている。



『二・二八事件―「台湾人」形成のエスノポリティクス
何 義麟(台北師範学院社会科教育学系助理教授)

略歴
1962年台湾生まれ。84年東呉大学日本語学科卒業、99年東京大学大学院総合文化研究科学術博士取得。現在は台北師範学院社会科教育学科助理教授。台湾近現代史専攻。主な日本語論文に「〈国語〉の転換をめぐる台湾人エスニシティの政治化」(『日本台湾学会報』、1999年)、「〈日台親和〉の虚像と実像」(『インパクション』、2000年)、「台湾人の歴史意識」(『アジア遊学』、2003年)、「戦時下台湾のメディアにおける使用言語の問題」(『台湾の近代と日本』、2003年)「台湾人エスニシティの形成と南島文化」(『東北学』、2003年)などがある。



『Unfinished Business-Ayukawa Yoshisuke and U.S.-Japan Relations, 1937-1953
井口 治夫(名古屋大学大学院環境学研究科助教授)

略歴
1964年マニラ市生まれ。1986年米国ブラウン大学経済学部卒業。95年米国シカゴ大学大学院歴史学研究科博士課程修了(Ph.D.取得)。95年ー96年ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所ポストドクトラル・フェロー。96年同志社大学アメリカ研究所(アメリカ研究科併任)専任講師、99年同研究所(同研究科併任)助教授。2001年より名古屋大学大学院環境学研究科(情報文化学部併任)助教授。論文に「戦後日本の君主制とアメリカ」伊藤之雄・川田稔編著『20世紀日本の天皇と君主制―国際比較の視点から 一八六七〜一九四七―』(吉川弘文館、2004年)、「太平洋戦争終結を巡る歴史論争――ボナー・フェラーズのヘンリー・スティムソン元陸軍長官批判」 細谷千博・入江昭・大芝亮編著『記憶としてのパールハーバー』(ミネルヴァ書房、2004年)など。

 



第18回環太平洋学術研究助成費
受賞研究テーマおよび受賞者名
 

<個人研究(100万円) 出版助成(70万円)   (  )は助成金額>



『アジア太平洋地域における信頼関係の構築と地域共同体の模索
  
―戦後世界史のなかの中・日・米三国の国際関係の比較研究
馬 暁華(大阪教育大学文部科学教官・助教授)

略歴
1998年お茶の水女子大学大学院博士課程比較文化学専攻終了(歴史学博士)。大阪教育大学大学院教育研究科助教授。2002−4年ハーバード大学日本研究所(Reischauer Institute of Japanese Studies)客員研究員。専門は国際関係史、主にアジア太平洋地域の国際関係・アメリカ外交主要著書に『幻の新秩序とアジア太平洋:第二次世界大戦末期の米中同盟の軋轢』(彩流社、2000年、2000年度アメリカ学会清水博図書賞受賞)、『浸透するアメリカ、拒まれるアメリカ』(共著、東京大学出版会、2003年)、『記憶としてのパール・ハーバー』(共著、ミネルヴァ書房、2004年)など。



『清末民国期における工学系留学生と日本』
徐 蘇斌(国際日本文化研究センター 外来研究員)

略歴
1984年天津大学建築系卒業、92年同博士修了、工学博士学位取得。同年東京大学生産技術研究所外国人博士研究員(日本学術振興会外国人特別研究員)。中国・清華大学建築学院講師、東京大学東洋文化研究所外国人研究員、国際日本文化研究センター客員助教授、中国・西南交通大学建築学院客員教授を経て、現在、国際日本文化研究センター外来研究員(日本学術振興会外国人招へい研究者)。研究領域は日中産業交流史、都市建築文化史。著書に『日本対中国城市与建築的研究』(中国水利水電出版社、1999年)。受賞に交通調査・研究優秀賞(東日本鉄道文化財団、2003年)と論文優秀賞(中国建築学会、1983年)などがある。



『東アジア金融秩序の経済分析―企業ミクロデータからの検証
永野 護(三菱総合研究所、政策・経済研究センター主任研究員)

略歴
1966年大阪府生まれ。90年横浜市立大学商学部経済学科卒業。92年早稲田大学大学院商学研究科(金融経済専攻)修士課程終了。同年(株)三菱総合研究所入社。2000年−2001年 アジア開発銀行(本部フィリピン、マニラ)出向。2004年大阪大学大学院国際公共政策科博士後期課程修了。現在(株)三菱総合研究所、政策・経済研究センター主任研究員。
著書に、“Inter-Regional and Intra-Regional Trade in Post-Crisis Asia: Challenges and Opportunities”, Journal of Economic Integration, Volume 18 Number 1, March 2003、「為替レート変動の非定常性に関する分析」『日本経済研究』No.35, 日本経済研究センター97年12月など。