本年度の贈呈式及び各賞の概要


 平成19年6月12日(火)、財団合同役員会の後、正午から約400人の出席のもと 「第23回大平正芳記念賞」「第21回環太平洋学術研究助成費」の贈呈式が、東京・丸の内の日本工業倶楽部会館3階大ホール・中ホールで開かれました。

受賞者の皆さんと大平裕理事長(前列左から2人目)

堤 清二氏の挨拶
(以上、撮影:久保田富弘)



[大平正芳記念賞]
正賞……楯  副賞……100万円 (特別賞・・・50万円)
選 定 基 準
(1)授賞対象は、「環太平洋連帯構想」の発展に貢献する政治・経済・文化・科学技術 に関する優れた著書・共著・編著としますが、環太平洋地域についての地域研究も含むものとします。
(2)授賞対象は、個人の著書に最優先順位を置き、ついで、共著、編著の順とします。
(3)授賞対象は、原則として受賞時から数えて2年以内に刊行されたものとします。
(4)授賞対象は、原則として他の賞を受賞していないものとします。
(5)特別賞は文献的、百科事典的、啓蒙的著作などの環太平洋構想の普及に貢献した作品に与えるものとします。
(6)授賞対象は5~6点とし、その半数は外国人の著作であることを望みます。
(7)受賞者は、原則として50歳未満とします。
募集等について
当財団が、依頼する機関及び推薦者の推薦を原則とする募集先限定ですが、第三者の推薦も可とします。 なお、自由応募の場合には、著書を当財団宛てに送付のこと。 募集時期は毎年9月初めから、11月末までとし、当財団の選考委員会が3月頃に決定し、 受賞者に通知します。落選者には通知せず、応募著書も返却しません。

 



[環太平洋学術研究助成費]
共同研究……500万円以内  個人研究……200万円以内
選 定 基 準
(1)助成対象は「環太平洋連帯構想」を発展させるのに相応しい政治・経済・文化・科学技術 に関する共同研究および個人研究としますが、環太平洋地域についての地域研究も含むものとします。
(2)助成対象研究は、長くても2年間で完結するものとし、研究終了に当たっては、 研究成果を何らかの形で財団に報告するものとします。
(3)助成対象は共同研究1~2点、個人研究3~4点とし、その半数は外国人の研究であることを 望みます。
(4)受賞者は、原則として50歳未満とします。
募集等について
 当財団関係者の推薦を原則としますが、自由応募も可とします。募集時期は毎年9月初めから 11月末 までとし、当財団の選考委員会が3月頃に決定し、受賞者に通知します。落選者には通知せず、応募書類も 返却しません。 なお、応募希望者は当財団宛てに連絡すれば、折り返し「研究助成出願書」を郵送いたします。

 



第23回大平正芳記念賞受賞作及び受賞者名

<正賞・・・楯 副賞・・・100万円(特別賞50万円)>

貧困の民族誌―フィリピン・ダバオ市のサマの生活
(東京大学出版会)2006年)
青山 和佳(あおやま・わか)(日本大学生物資源科学部国際地域開発学科准教授)

略歴
1968年、北海道生まれ。1992年慶應義塾大学商学部卒業。1995年同大学院商学研究科修士課程修了。2002年、東京大学大学院経済学研究科より博士号(経済学)取得。同研究科助手(2001-2004)、和洋女子大学人文学部助教授(2004-2007年)を経て、現在、日本大学生物資源科学部准教授。1997年~2001年、アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン研究所客員研究員。専門は民族誌的手法によるフィリピン地域研究。

 







市場と経済発展―途上国における貧困消滅に向けて
(東洋経済新報社 2006年)

澤田 康幸(さわだ・やすゆき)(東京大学大学院経済学研究科准教授)
園部 哲史
(そのべ・てつし)(国際開発高等教育機構主任研究員・政策研究大学院大学連携教授)

澤田康幸氏略歴
1967年兵庫県生まれ。1990年慶応大学経済学部卒業後。1992年大阪大学経済学修士、1994年東京大学学術修士(国際関係論)、1996Stanford大学修士(国際開発政策)。1999Stanford大学より経済学博士号取得。パキスタン開発経済研究所(PIDE)客員研究員、世界銀行調査局(DECRG)コンサルタント等を経て、1999年より2003年まで東京大学大学院総合文化研究科助教授。2002年より東京大学大学院経済学研究科助教授。2006年より経済産業研究所ファカルティフェロー。主な著作は、『国際経済学』(新世社, 2003年)。

園部哲史氏略歴
1984年東京大学経済学部卒業後、同大学大学院に入学。1987年よりYale大学大学院に留学し、1992年に同大学より経済学博士号取得。東京都立大学経済学部講師、助教授、教授、アジア開発銀行客員研究員、フィリピン大学ディリマン校経済学研究科客員研究員を経て、2003年より財団法人国際開発高等教育機構(FASID)主任研究員および政策研究大学院大学(GRIPS)連携教授。主な著作は、『産業発展のルーツと戦略:日中台の経験に学ぶ』(共著、知泉書館, 1994年)、Cluster-Based Industrial Development: An East Asian Model (共著、Palgrave Macmillan, 2006)

 







The Fable of the Keiretsu: Urban Legends of the Japanese Economy(University of Chicago Press 2006年)
三輪 芳朗(みわ・よしろう)(東京大学大学院経済学部教授
J. Mark Ramseyer
(マーク・ラムザイヤー)(ハーバード大学ロー・スクール教授

三輪芳朗氏略歴
1948年愛知県生まれ。1970年東京大学経済学部卒業。1976年東京大学大学院経済学研究科終了。経済学博士。信州大学講師、助教授を経て、198610月東京大学経済学部助教授、198912月より教授。専門は、産業組織、規制、法と経済学。『独禁法の経済学』(日本経済新聞社、1982年)、Firms and Industrial Organization in Japan (Macmillan, 1996)State Competence and Economic Growth in Japan (RoutledgeCurzon, 2004)ほか。
 Mark Ramseyerとの共著に、『日本経済論の誤解:「系列」の呪縛からの解放』『産業政策論の誤解:高度成長の真実』(いずれも東洋経済新報社、2001年、2002年)、『経済学の使い方:実証的日本経済論入門』(日本評論社、2007年)

J. Mark Ramseyer氏略歴
1954年シカゴで生まれ、宮崎県で育つ。1976年ゴシェン大学学士(歴史学)、1978年ミシガン大学修士(日本研究)、1982年ハーバード大学J.D.(法学)。シカゴでの実務経験ののち、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)とシカゴ大学を経て、1998年からハーバード大学のロー・スクール教授。専門は会社法、法と経済学、日本法。受賞作の他に"Measuring Judicial Independence" (Rasmusenとの共著, University of Chicago Press, 2003), "Japanese Law:  An Economic Approach" (中里との共著, University of Chicago Press, 1998)"Odd Markets in Japanese History" (Cambridge University Press, 1996) 等の著書がある。

中国・改革開放の政治経済学(ミネルヴァ書房 2006年)
三宅 康之みやけ・やすゆき愛知県立大学外国語学部准教授

略歴
1969年兵庫県生まれ。1993年京都大学法学部卒業。1995年京都大学大学院法学研究科修士課程修了。カリフォルニア大学サンディエゴ校国際関係論大学院修士課程に留学(1996-1998年)。2000年京都大学大学院法学研究科博士後期単位認定退学。京都大学大学院法学研究科助手(2000-2003年)を経て、現在、愛知県立大学外国語学部中国学科助教授。専門は中国の政治外交。執筆分担に『アジアの政治経済・入門』(有斐閣、2006年)など。

特別賞

近代・中国の都市と建築-広州、黄浦、上海、南京、武漢、重慶、台北(相模書房 2005年)
田中 重光(たなか・しげみつ)(株式会社東急設計コンサルタント)

略歴
1951年福岡県柳川市生まれ。1990年日本大学文理学部史学科卒業。1994年日本大学大学院理工学研究科博士前期課程交通土木工学専攻科修了。1997年日本大学理工学部理工学研究所交通土木専攻科研究生終了。1997年博士(工学)、一級建築士。日本上海史研究会会員、共著『上海職業さまざま』勉誠出版2002年。中国近代都市計画・建築に関する論文、多数。現在、上海華東理工大学・公共社会管理学院と研究交流中

 


第21回環太平洋学術研究助成費
受賞研究テーマおよび受賞者名
 

<個人研究(110万円)(  )は助成金額>


冷戦期オーストラリアの安全保障と地域協力——複合的な集団形成による近隣安定化の模索
山元 菜々(やまもと・なな)東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻研究生

略歴
1997
年東京大学教養学部教養学科卒業。1999年東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士課程修了。2007年同博士課程退学後、博士号取得のため同大学院研究生。2003-04年成蹊大学アジア太平洋研究センター特別研究員。2006年ニュー・サウス・ウェールズ大学/オーストラリア国防大学大学院研究生。専門は国際関係論、アジア太平洋安全保障協力、オーストラリア外交。主な論文に「アジア太平洋の多国間安全保障協力とオーストラリア」『国際関係論研究』第17号(2001年)、「転換期オーストラリアの安全保障と地域協力1967-1974」『オーストラリア研究』第20号(2007年)。


<出版助成(100万円)(  )は助成金額>


『インターネット時代のアメリカにおけるテレコム政策と政策ネットワークの変容』
清原 聖子(きよはら・しょうこ)(情報通信総合研究所研究員、東京大学大学院情報学環客員教員)

略歴
1975
年、東京生まれ。1999年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2001年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了。20043月、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。東京大学大学院情報学環助手、東京大学大学院情報学環特任助手を経て、200741日より情報通信総合研究所研究員及び東京大学大学院情報学環客員教員。専門はアメリカ政治及び情報通信政策。20057月より20063月まで、フルブライト博士論文研究フェローとして、米国ジョージタウン大学に留学。