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第20回 研究テーマ及び受賞者名

 『光学教育と関連産業の発展過程の国際的比較研究』

劉旭(リュウ・シュウ)(浙江大学教授)
 
<大きい技術革新の中での専門教育のあり方を考える>

  教養豊かで中日両国の関係強化に尽力されたことで知られる、大平正芳元首相の記念財団から「第20回環太平洋学術研究助成費」の受賞対象に選定して頂けた事は、私にとって大変名誉なことであります。このような形で私がこの数年間取り組みたいと考えていたテーマについて研究の機会を与えてくださった財団関係者の皆様、および選考委員会の先生方には深く感謝申し上げます。
  中国の本格的な光学教育は今から半世紀前に浙江大学で誕生しました。私は若い時から光学に興味を抱き、その浙江大学で専門教育を受け、現在はそこで教育と研究に携わると共に国内外の学界や産業界とも幅広く交流を行っております。丁度私が専門基礎教育を終えた’80年代後半から情報分野の技術革新が急速に進展し始め、その中で光学自体が不可欠な基本技術として一気に幅を拡げ、また大きな変貌を遂げました。それに伴い産業界も「伝統光学産業」から「先端光学産業」へと大きくイメージを変えていきました。このような激しい産業界の技術革新の中にあって当然光学教育自体も時代に合ったものへと変えていく必要があります。このような特異な時代背景の中で光学教育と研究の一線に立つものとして本研究テーマはひと時も頭から離れることのない課題です。また海外の専門家との交流を通じて、国や地域によってこの「発展過程」にも大きな違いがあることが判りました。特に中日間の違いは顕著で対照的とも言えるほどです。先端光学産業における中日両国の役割の大きさを認識し、このテーマに関心を寄せられる日本の有識者も数多くおられます。研究を進める過程でいろいろ意見や情報の交換をさせて頂く機会を今から楽しみにしております。

略歴
1986年浙江大学大学院修士課程終了。90年フランスENSPM博士課程終了(PhD)。92年浙江大学助教授。95年からは同教授。現在、同大学情報通信学院 副院長、国家重点研究施設 主任を兼務。先端光学分野の研究と教育に従事する傍ら、国際光学会(SPIE)、中国光学会および中国真空学会など関連学協会の要職にあり、指導的役割を果たしている。発表論文数は80件を超える。

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