第十九回 日本語優秀学位論文大会
戈春晓 | 人魚構文における文末状況名詞の文法化に関する研究 |
刘品原 | 中国で日本語を専攻する大学生における日本のポップカルチャーへの接触状況に関する研究 |
马天怡 | 井上ひさし『シャンハイムーン』論―魯迅像の生成を中心に― |
王柏淞 | 有職故実学から見た新井白石の政治思想――礼楽と公武関係を中心として |
考文静 | 日本若年層結婚意欲・行動の影響要因の考察――労働時間と収入を中心に |
姚远 | 日本家庭部門における CO2 直接排出量の影響要因に 関する分析 |
■受賞者からのメッセージ
北京外国語大学 劉品原
この度は、大平正芳記念財団優秀論文賞という名誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。この場をお借りして、大平正芳記念財団の関係者の皆様、選定委員の先生方、およびこれまでご指導いただきました先生方に深く感謝を申し上げます。
今回受賞の対象となった修士論文は、中国大学の日本語学習者が授業内外においていかに日本のポップカルチャーに触れているかを調査したものです。多くの日本語学習者と同様、私も小さい頃から日本のポップカルチャーに触れ、それを通じて日本語に興味を持つようになり、日本語の勉強を始めたのです。そのゆえ、私は常に日本のポップカルチャーに関心を寄せています。日本語教育に関する知識を学びながらも、ポップカルチャーコンテンツをいかに教育場面で利用するかといった問題を考えています。今回の論文においては、中国大学の日本語学習者を対象にアンケート調査とインタビュー調査を行い、彼らのポップカルチャーに接触する現状を分析しました。その結果、日本のポップカルチャーコンテンツは学習者の日本語学習にプラスの影響をもたらし、教育現場でのより多い利活用も期待されることなどが分かりました。
私は今、日本語を教える教師となり、授業においても常に日本のポップカルチャーを利活用することを心掛けています。この論文賞をいただいたことを励みに、今後も日本語教育や中日文化の交流に取り組み、両国の友好に貢献することができるよう頑張りたいと思います。ありがとうございました。
北京外国語大学 戈春暁
この度、第十九回大平正芳記念財団・北京日本学研究センター優秀論文賞をいただき、光栄のいたりで、大変嬉しく存じます。誠に感謝しております。この賞をいただいたのは、自分一人だけの力だけではありません。この三年間、多くの方々に支えられて修士論文の作成を進めてきました。本当にありがとうございました。
まず、指導教官の譙燕先生は、論文のテーマの確定から、構成、研究方法、言葉遣いなどに至るまで、さまざまなご指導をしてくださいました。先生は、私の研究を終始励ましてくださいました。先生の手助けがなければこの論文が完成できなかったと思います。譙先生に心より感謝の意を申し上げます。そして、北京日本学研究センター・言語コースの徐一平先生、陳冬姝先生、劉川菡先生には、本論文全般について、重要なコメントをたくさんいただき、深く感謝します。訪日研修の折には、京都大学の定延利之先生から、広い視野に立ったコメントをいただきました。コロナの影響で訪日研修がリモートになりましたが、定延先生にはオンライン授業を通じて語例の収集や研究の方向など、細かく指導してくださったことに感謝の意を表します。
また、この論文の執筆にあたり、趙蓉先生、張威先生、斎藤倫明先生、氏家洋子先生からも大切なご意見をいただき、論の弱いところについて深く鋭いご指摘をいただきました。厚く御礼申し上げます。さらに、国際交流基金のご支援のおかげで、オンライン授業を受けることができました。北京日本学研究センターと国際交流基金の職員の皆さんのご厚意に感謝申し上げます。最後に、これまで、研究以外の面で支えてくださった家族と友達にも、心より感謝申し上げます。
北京日本学研究センターの前身は1979年、大平首相が訪中された時に、中日政府が締結した文化交流協定の中の「北京日本語研修センター」であります。日本語専攻の学生として、大平正芳記念財団・北京日本学研究センター優秀論文賞をいただくことは、日本語学、日本文化の勉強に取り組む原動力になると思っております。北京日本学研究センターから卒業し出版社に就職しましたが、『舟を編む』中での辞書編集者のように、日本語の勉強は諦めずに、一生続けて参りたいと考えております。 以上を持ちまして、改めて大平正芳記念財団や北京日本学研究センターに、そして、本稿の作成する間に、支えてくださった方々に深く感謝いたします。