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■受賞者からのメッセージ
修士34期生 18171016 魏正
陽春の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
此度は大平正芳記念財団優秀論文賞を賜り大変光栄に存じます。大平正芳記念財団関係者の皆様に心よりご礼申し上げます。
論文の方は、日本明治時代の小学唱歌教育を展開過程、歌詞内容及び分析を通じまして、当時小学教育に存在しているのナショナリズムの中身を究めるという工作を試みたのであります。道徳教育、戦争教育、地理知識に関する教育を経て、本論は唱歌教育は修身、国語、地理、歴史などの学科と一緒に、日本人の思考習慣を「伝統道徳から国民道徳」という変化を幼少期から起こし、新しい国民国家にふさわしい行動規範を賦与しようとします。かくて、唱歌は国民の新しい国民国家および天皇へのアイデンティティを強化する一方、その後の集権主義、軍国主義への追随でも下敷きを成し遂げたともいえるという結論に至りました。
まだまだ疑問多く、さらなる分析は必要であるが、論文はこういう評価を獲得するのは予想以上のことかもしれません。要するに、国民国家の衝突がますます深刻化になっていく今日において、もう一度近代の原点に立ち、国民国家の論理をじっくり考え、その中に秘められた人心に対する巧みな操りを見抜くことは、きっと日本でも、中国でも、世界全部の国々でもとても有意義であることは、この論文を書くモチベーションともいえます。
中日国交正常化50周年の際、この論文も当時国家正常化を推し進める人々の心を感じさせます。両国は、一国ナショナリズムを越えるために、多大な努力をもって、もう一つの可能性はあるのではないかを証明しました。経済発展もそうであるが、私は今就学している「北京日本学研究センター」もその可能性の結晶として、今日まで生き残ります。大平正芳元首相をはじめ、日中関係に心を尽くした多くの人々に、敬意を払わさせていただきたいです。
修士34期、そしていま博士22期という経歴を持っている私は、中日両国の先生をはじめ、多くの人の世話になって来ました。しかし、大平正芳記念財団の「北京日本学研究センター」のプロジェクトなくしては、これらの個人的発展は実現不可能であるのは承知しております。本感謝文をもって、改めて感謝の気持ちを表させていただきたいです。