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第37回受賞作及び受賞者名

『THE BUSINESS REINVENTION OF JAPAN:HOW TO MAKE SENSE OF THE NEW JAPAN AND WHY IT MATTERS』
(Stanford University Press 2020年)
Ulrike Schaede(ウリケ シェーデ)
(カリフォルニア大学・サンディエゴ校 グローバル政策戦略大学院教授)
 この度は大平正芳記念賞を賜り大変光栄に思います。大平正芳記念財団と選考委員会の皆様に心より感謝申し上げます。貴財団におかれましては、37年にわたりこの賞を通じて環太平洋地域に関する学術研究の優れた成果を評価し、支援していただいて参りました。今回、他の優れた学術研究に並び、私の著書が受賞対象に選ばれたことを大変光栄に思います。深謝の気持ちを込めて、この名誉ある賞を謙虚に受けせていただきます。
 環太平洋地域の状態は、外交だけではなく経済・経営および貿易もその地政学的関係に大きく影響を与えています。さらに企業間の商取引は種々の関係性や相互依存関係を生 み出し、強力なブランドは世界の消費者の行動と憧れに大きな影響を与えています。また、良好なビジネス・経済関係は政治にも良い影響を与えます。アジアのサプライチェーンやアジアの消費者市場における相互依存の深まりは、貿易交渉や取引慣行、そして次世代の将来への展望にも併せて強い影響を与えています。
 環太平洋地域経済における日本企業の役割の変遷についての私の分析が、有用であり貢献があると認められたことは大変幸甚です。「KAISHA の再興」は、日本国内だけでなく地域全体、そして世界とも大きく連動しています。より多くの研究者が再び日本のビジネスと経済の研究に目を向け、相互尊重、協力、繁栄の明るい未来に寄与してくれることを願ってやみません。
 この度の受賞を励みとし、さらに研鑽を積んで参る所存です。

略歴
 UC サンディエゴ大学院教授、日本企業論の専門家。出身はドイツ。
 ボン大学とマーブルグ大学で日本学・経済学の研究をへて、1987年に修士号、1991年に博士号。一橋大学経済研究所、日本銀行金融研究所、財務省、経済産業省、政策投資銀行 等で研究員・客員教授を歴任。1994年からUC サンディエゴ、グローバル政策・戦略大学 院教授、JFIT 日本研究所のディレクター 。主な研究領域は、日本を対象とした企業戦略、組織論、金融市場、企業再編、起業論等。

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